第117回 頻尿の薬が、実は“認知症のリスクになるかもしれない”という衝撃の事実。そして脳を守りながら治療できる最新の治療法

皆さんこんにちは!
くぼたクリニック松戸五香、院長の窪田徹矢です。
今日もハッピーに、そして“健康で長生きできるための本当に大事な話”を、分かりやすくお届けします。

さて今日は…
「頻尿の薬が、実は“認知症のリスクになるかもしれない”という衝撃の事実。そして脳を守りながら治療できる最新の治療法」
このテーマでいきます。

途中ちょっと怖い話も出てきますが、最後には“希望の話”をしっかりお伝えしますので、ぜひ最後までお付き合いください。

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■① まずは…頻尿・過活動膀胱ってどんな病気?
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「最近おしっこが近い」「急に我慢できなくなる」「夜中に何度も起きる」
こういう症状、実は“過活動膀胱”と呼ばれる立派な病気です。

膀胱というのは本来、風船みたいにゆっくり膨らんで、おしっこが溜まるまでじっと待つ臓器なんですが、過活動膀胱になると、まだそんなに溜まっていないのに“勝手にギュッと縮んでしまう”。

だから
・急な尿意
・頻尿
・夜間頻尿
・時には尿漏れ
などが起きるわけですね。

生活の質がガクッと落ちる、本当に辛い病気です。

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■② 多くの病院で出される薬…実は“脳にも効いてしまう”
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ここで多くの病院が処方するのが
「抗コリン薬」 というタイプの薬です。

商品名でいうと
ベシケア、デトルシトール、ウリトス、ポラキス
などが有名ですね。

確かにこれらのお薬、膀胱を落ち着かせる効果はバッチリあります。
ところが…問題はここから。

抗コリン薬が抑える “アセチルコリン” という物質、実は膀胱だけじゃなく、脳の記憶や学習にめちゃくちゃ重要な物質なんです。

つまり、薬が膀胱だけでなく脳にも届いてしまうと…

・注意力が落ちる
・物忘れが増える
・そして長期的には“認知症リスクが上がる可能性がある”

ということが、ここ10年で世界中の研究から分かってきました。

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■③ 世界が震えた研究データ
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たとえば…
2019年、アメリカの医学誌「JAMA Internal Medicine」。

対象はなんと 28万人
ここで明らかになったのが、

抗コリン薬を3年以上使った人は、使わない人に比べて認知症リスクが“約1.5倍”に増えていた。

1.5倍ですよ?
これはもう“無視できない数字”です。

さらに、2016年の研究では
抗コリン薬を飲んでいる人の脳をMRIで撮ったところ

脳の体積が小さくなっていた=脳萎縮が起きていた

というショッキングな報告まであります。

「先生、そんな…病院で出された薬なのに?」
そう思われるかもしれませんが、これらはすべて医学誌に載ったリアルなデータです。

もちろん、薬を飲んだから明日認知症になるわけではありません。
ただ、“5年、10年と漫然と飲み続けること”が危険ということなんです。

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■④ ではどうすればいいの? → 実は選択肢があります
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まず最初の選択肢は
別のタイプの薬に変えること。

「β3作動薬」という種類の薬がありまして、
ベオーバ・ベタニスがこれに当たります。

この薬はアセチルコリンをブロックしないので、
・記憶へ影響しにくい
・口の乾きが少ない
などメリットがあります。

でも…
「薬自体をやめたい」
「副作用が心配」
「薬が効かない」
そんな患者さんも少なくありません。

そこで登場するのが、今日の“ハッピーな希望の話”。

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■⑤ 当院の切り札!ボトックス膀胱治療とは?
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そう、あの美容でも使う “ボトックス” を膀胱に使う治療です。

「え、膀胱にボトックス?」
そう思いますよね。

実は、ボトックスには筋肉の緊張をほぐす強力な効果があり、
過敏に縮んでしまう膀胱の筋肉を“ふわっとリラックス”させることができるんです。

治療は内視鏡で膀胱の壁にちょんちょんと注射していくだけ。
時間は15〜20分。
麻酔ゼリーを使うので痛みは最小限。
日帰りで帰れます。

ここが最大のメリット。

薬が全身に回らない。脳に届かない。
だから認知症リスクを心配せずに治療できる。

そして効果は4〜8ヶ月持続。
毎日の薬も不要。
お金の負担も保険適用でかなり抑えられます。

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■⑥ ボトックス治療の安心ポイント
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・2020年に保険適用
・施術は泌尿器科専門医が行う
・副作用が出ないよう事前検査を徹底
・高齢者でも受けられるケース多数
・「人生変わった」と言う患者さんも多い

もちろん全員に向く治療ではありませんが、
“薬を続ける不安がある方”
“生活の質を上げたい方”

そういった方にとって、非常に大きな選択肢になります。

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■⑦ 今日のまとめ:膀胱も、脳も、両方大事に
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今日のポイントは3つ。

  1. 一部の頻尿薬は、長期使用で認知症リスクが上がる可能性がある
  2. 薬を変える選択肢もある
  3. ボトックス治療は“脳への影響ゼロで膀胱を治療できる”強力な手段

大切なのは、
“漫然と飲み続けないこと”

そして
“医学が進歩している今、もっと安全に治す選択肢がある”
という事実を知ることです。

もし
「薬をずっと続けていいのか心配」
「お母さん、お父さんが抗コリン薬を飲んでいて不安」
「ボトックス治療が自分に合うか知りたい」

そんな方がいれば、ぜひ一度くぼたクリニック松戸五香へご相談ください。
オンライン診療もやっていますので、遠方の方もOKです。

あなたの膀胱も、あなたの脳も、どちらも大切に守っていきましょう。

今日も最後までお聞きいただき、ありがとうございました!

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